この間、横浜美術館に行きました。
横浜に住むようになり初めての事でした。
実は私、某美術大学の絵画科出身でして、それはそれは熱心にデッサンして油絵を描いて2年浪人し入学しました。
最初の授業でとある教授が「絵画は既にレディメイドだから。」と言いました。
現代アートって何でしょう?
現代のアート?
とにかく技術主義な受験から解放されたみなさん(私含む)は、やたらデカイキャンバスを壁に立て掛けてよくわからない絵を描いていました。
因みに、美大の受験の技巧というのは勿論上手くなる事、なんですが(だから石膏デッサンとか沢山しますよね)
受験時間内にいかに「受かる絵」を描けるかなのです。なので私たちはさまざまな絵画的技巧を学び、雰囲気を出す術を身につけ、顔や手などを書き込み、デッサン力がある事を主張します。
基本的にどの美術大学も油絵科の入試とは3〜6時間のデッサン、約6時間の油絵で学科以外の入試に勝たなければなりません。
少なくとも、当時はそうでした。
大学の傾向に合わせながら時間内に受かる絵を描くこと。
話は戻って皆のトンチキ絵画合戦が始まりました。塩をキャンバスにかけ始めて「人生だ」とか言う人もいました。確かに、人が亡くなっても性の宮殿にも塩がある。
レディメイド。確かにキャンバスは、絵の具は既に存在するのですから、そうなのでしょう。
リキテンシュタインはレディメイドでしょうか。バランスでしょうか。
そうかもしれません。
しかし、皆が揃いも揃って立て掛けたキャンバスにトンチキを描く様子は偶然を使ったええかっこしいにしか見えませんでした。
絵の具は垂れるし跳ねます。
では、床に置いて全く思い通りに描いたら?
いや、そもそも思い通りとは?
完全に頭の中のイメージを絵に出来るのか?
いや、そもそも画用紙にチャチャっと描いたものを作品です、と言い切れば作品でありますし。
物凄い大作の油絵をクロッキーです、下絵です。と言ってしまえば作品ではない。言い切ってしまえば作品なんです。
なんとシンプル。
時を戻そう。
そもそも偶然と意図が対になるなら意識と無意識も対になり、意図と意識は似て非なるが偶然と無意識は全く違うと言い切れなくもなく絵の具というのは、、、
私は頭が爆発し、何を描いても自意識過剰な気がして恥ずかしくなり早々に絵を描く事を辞めてしまいました。
映画が大好きだったので、絵画科ながら映像を毎回講評に出して困らせていたが、映画を作る事はひたすら楽しかったです。
しかし、当たり前に偶然がまるでない作品なんてないのです。頭の中のイメージを100%再現するなんて不可能なのです。映画は、ひとりじゃ出来ません。
きっと絵もそうでしょう。
私は素敵な仲間と作りたい。仲間が発した素敵なものはどんどん取り入れたい。もう最初の狙いも行方もとっちらかるけど、私はそれが好きです。
アートって、映画ってそんな難しいものですか?
皆感じたことが違う、それでいいんです。わからないならわからないと言おう!(ぺこぱ2回目)
横浜美術館のウォーホルのマリリンモンロー。作品の説明文には「スーパースターが好きだから」
ニコッとしちゃいました。
桜木花道がいるから流川楓がかっこいいし道明寺がいるから花沢類がカッコいいんだよなぁ。
私もスタースターが大好きです。
なんじゃこりゃ。
だから、アートを続けてる人を尊敬しています。
では。
it's OK FILM 阿部綾織
it's OK FILM 代表 阿部綾織の日々の生活
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